親知らず

 

 国立がん研究センター連携歯科医院に通院を続けた。

親知らず以外の歯の治療は順調に進んだ。

 

 いよいよ親知らずの抜歯の日が来た。

予約時間少し前に歯科医院に到着。診察室に呼ばれて治療チェアーで待っていると、

いつもの担当の先生がやって来た。

「よろしくお願いしまーす」と「今日は親知らずの抜歯をしますね」

と、歯科衛生士さん抜歯器具を準備。

 

 いよいよ抜歯だよー、こわいよー と始まった。

麻酔を打たれて、麻酔の段階で歯ぐきにチクッチクッと刺されて、痛い痛い。

しばらくすると麻酔が効いてきて、先生がグッグッと圧をかけてきた。

何度も何度もグッグッ・・・・・・・・ダメみたい。

麻酔も数回打って痛い痛い。

 

 先生に「ちょっと抜けないので、治療に通院している病院の口腔外科の方に、

紹介状書くから、申し訳ないけど、そっちで抜歯してもらって下さい。」

「はい」と言いながら、えっーーー!だった。

 

 抗がん剤治療前の診察時に先生に事情を話した。すぐに口腔外科の予約を取ってくれた。

後日、口腔外科に行くと、あっという間の診察時間で、抜歯の予約は一番早くて、

2か月後しかないけど…だった。

仕方ないので2ヶ月後の予約を取った。

いつも通院している歯科医院の先生に話し、他の歯の治療はほぼ終わりになっていった。

 2ヶ月後の予約日に口腔外科に行った。

当然麻酔は打った。あっという間に抜歯は終った。

痛くもなんともなかった。痛み止めを処方されて終了。

痛くなくて良かった。歯科医院は苦手だ。

かつら暑いよー

 

 ウィッグを装着して仕事に行った。あついよー、あつすぎる。

涼しいはずのウィッグやアンダーキャップ。なんでこんなにあついの~?

 また問題発生!!

だいたい職場が暑すぎるんだ!!! 暑い場所は30℃以上ーーー

私の居場所は28℃ある。空調はどうなってるんだ!!?

 そういえば、ウィッグなしで元気に仕事していた時も暑かった。

すっかり忘れてしまっていた。とにかく暑いんだった。

この暑さはたまらない。なんとかしなくてはいけない。

他の人に「あついね~」と言っても「あついよね~」でいつも終わってしまう。

うーーーん。あつい!!!!

 

 みつけたよ。北極圏ゲルという寒いくらいの冷涼感のジェルタイプ。

暑くなる度に首にぬってみた。あ~~~~、気持ちいい。助かった。

もうひとつウィッグ用クールスプレーはウィッグに直接スプレーできるから、

本当にありがたかった。

あまり暑さを感じないときはスプレーしても、「ん?」だけど、

「暑いわぁー」と感じた時は、本当にひんやりして気持ち良い。

頭に装着したままスプレーできるから良い。

ウィッグを装着する前に内側にも外側にもスプレーしてみたり。

でも暑さを感じるのは外出時がほとんど。

北極圏ゲルはいつでもつかえるけど、ウィッグ用クールスプレーはムリ。

外で頭にスプレーできないから、仕事に行くときほとんどかぶっているから、

更衣室でも誰もいない時に限る。あー気持ちいいー。

 

 

ぷるさらりん 北極圏ゲル 90g

ぷるさらりん 北極圏ゲル 90g

 

 

 

レオンカ ウィッグ用クールスプレー 100g

レオンカ ウィッグ用クールスプレー 100g

 

 

頭皮

 

 ウィッグを装着して、仕事に行く日が近づいてきた。

数日前にしっかり練習した。装着中に色々な角度から息子に見てもらった。

写メを撮ってみたり色々やってみた。

散々練習してきたのに、いよいよという時にあることに気が付いた。

息子は「地肌がおかしい」と言う。「どういうこと?」となった。

考えてみれば、頭皮は肌の色なのに、ウィッグの下に被るネットは、黒色だ。

当然、黒色ネットが透けて見える。あたりまえだ。

 

 黒色ではないネットやキャップはあるのか探した。

ネットは黒色しか探せなかった。アンダーキャップは色々あった。

黒色以外にブラウン、ベージュがあった。

頭皮は敏感になっているからオーガニックコットンや竹コットンを選択した。

ネットより頭皮に良い感じがした。

ウィッグからみえる地肌は、問題解決した。

 

 

 

 

 

まゆ毛

 しばらく抗がん剤治療を続けていくと、白血球が減少しはじめた。

週1日で3週続きの抗がん剤治療は、本当にきつかった。

2.3週目には白血球減少で治療ができないこともあった。

38℃以上の熱が出て、腹痛、吐き気に襲われた。ほとんど食事は出来なかった。

一日中ねたきり状態になった。

 鼻をかむと血の塊が出始めた。なかなか止まらない。

1か月仕事を休んでいた。もうすぐ仕事に行かないといけない日がやってくる。

 

 鏡で顔を見ると「あれっ?まゆ毛って、こんなんだったっけ?」

確実にまゆ毛が薄くなっていた。まゆ毛がなくなると人相が変わるって思った。

自分の顔がわからなくなっていた。やっぱりまゆ毛って大事だと実感。

 

 まゆ毛がなくなってしまうと描くことも難しい。何か、ないか?

探して見つけたのが「ワン・ブラッシュ」だ。

洗顔後、何もつけないでまゆ毛があったであろう場所に2.3日描くと、しばらく

色が残っていてまゆ毛を描くやすくするという物だった。

自分はお風呂の後に使っていた。翌朝、洗顔しても薄くなってるけど色が残っていて

ずいぶん助かった。

 あったハズのものがなくなると、不思議な顔になる。

医療用ではないからドラッグストアで購入できるといいのになぁ。

 

 

 

 

 

 

激痛なのに・・・・・

 午前中は診察だった。

突然、胃が激痛におそわれた。夕方には痛みはなくなっていた。

ものすごく痛くて腰を伸ばせなかった。息子と母親が一緒にいたけど、母親は昼食のことしか頭にない。

だから、母親は息子に昼食を買いに行かせた。

あまりの痛さに駅から自宅までタクシーで帰ることにした。

タクシーの中では激痛で話せない状態だったけど、行き先を運転手さんに伝えないといけない。

一緒にいた母親が伝えてくれるものだと思いこんでいた。

私は話せないくらいの痛みに苦しんでいた。母は何も言わない。

どうして?なんで?・・・・・・・・

言ったことと言えば「何だったかねー」と2回言った。そして私の顔を見た。

はぁ?ふざけんな・・・

痛みをこらえて道順を教えればいいけど、そこまで説明はできそうになかったから住所を伝えた。

息子をタクシーに乗せるべきだった。

 

 次の診察時に胃が痛かったことを話すと「胃カメラをやりましょう」となった。

胃カメラは苦しいとしか聞いたことがなかったから、やりたくなかった。

念のためということで、渋々胃カメラ検査をすることととなった。

予約時間15分前に行くとおじさんが三人いた。

 変な味の液体を飲んだ。胃の中の泡を消す液体らしい。

はじめての胃カメラは、とにかく苦しいものだった。

想像してたよりも太い管?だった。人差し指くらいはあったと思う。

のどの一番狭いところは本当に苦しかった。

イヤな検査はたくさんあるけど、二度としたくない検査だった。

結果は少し炎症がある程度だった。激痛の原因はわからないままだ。

前髪付け毛

 手のしびれはずーっと続いた。毎日のように頭痛も続いた。なんで?

頭痛の原因は後日わかった。

 抗がん剤を開始して2週間後に少しずつ抜け始めた。

初めは少し・・・だんだんバッサバッサと抜けた。抜けるわ抜けるわ。

帽子は手離せられなかった。からだもだるくなってきた。

髪の毛はいつまでも抜けた。

約1か月かけてほとんど抜けた。

よくもこんなにも抜け落ちたものだと思った。

 脱毛が落ちついた頃、味覚もおかしくなって、味がよくわからなくなった。

特に塩気がわからなかった。

 視力低下なのか、なんなのか?目がぼけたりした。

年齢的に老眼なんだろうけど、自覚はほとんど無かったと思う。

でも、ちょっと違う。

日頃コンタクトレンズを使用してるけど、つけてもつけなくてもぼけていた。

とても仕事には行けなかった。

眼鏡はうっとうしいので、毎日コンタクトレンズはつけていた。

 

 脱毛中は頭皮がとにかく痛かった。かなりの痛みだった。診察時に先生に話すと

「そういうことを言う人もいます」で終わった。

脱毛中は24時間ずーっと帽子をかぶっていた。頭皮が敏感になっているから

1日に帽子を何度も変えた。

帽子をかぶっていても、家の中には髪の毛が想像以上に落ちていた。

髪の毛を見つけては捨て、コロコロでいつもコロコロ。

 

 外出するとき帽子を当然かぶるけど、前髪が少なくなってきてることに気付いた。

前髪もない、サイドもうしろの髪もない。

当然だけど抗がん剤の副作用で脱毛してる、だけど病人にはみられたくなかった。

というのが本音だった。

帽子もなるべく医療用だけど、ちょっとおしゃれなものを探した。

 医療用の前髪があるかも!っと思い探した。

京都 医療用の付け毛のお店 鈴珠さんを見つけた。

http://www.suzutama.com

鈴珠さんのインナーウィッグ用レイヤー前髪(ピン付)とストレッチベルベットリボン

(輪)を購入し、自分で前髪のピンを外してリボンを縫い付けた。

CT検査の時にこのままでも大丈夫なように、縫い付けた。

ちょっと笑える頭になるけど、帽子をかぶるからOK!

本当にこの付け毛はありがたい物でした。

 

血圧計

 CVポート埋め込みの翌日、午後から初の抗がん剤治療開始。

やり始めはなんともなかった。知らない間に眠ってしまっていた。

終わると看護師さんに起こされた。自分で眠るんだと思った。

 しばらくすると身体が熱くなって38度熱が出ていた。

手の平や頭がカーッと熱くなったり、腹痛もあった。

こういうのが副作用なのかなぁ?

 入院中は頭が熱くなったり、腹痛が何度かあった。

そのうち左手のどこかわからないけど、時々しびれるようになった。

女医さんに話したら「指先がしびれるからちがうんじゃない。」と言われる。

だけど、今までしびれていなかったんだけど、このしびれは何?って思った。

のどから胃、背中が痛んだり、歯が痛んだりして痛め止めを飲んでいた。

 他には特にヒドイ副作用は出ていないということで退院になった。

当初の10日入院から5日で退院が出来た。

 

 病院へ行くと血圧ばかり測る。先生に家でも測るように言われた。

入院中によく病室に来ていた女医さんは針を刺すのがめっちゃ下手くそだった。

抗がん剤治療前の点滴の針は何度やり直すんだ!でもじっと横になっていた。

腕をねじりながらの「かなり痛いですよ」は、本当に本当に痛かった。

うっそー!こんなにも痛いの?正直治療できないと思った。

電話で他の先生を呼んでいた。

すぐに別の先生が来てあっという間に終わった。全く痛くなかった。はぁー?

入院中、看護師さんに女医さんはイヤダと訴えた。その後、望みは叶った。

 血圧の話に戻ると、家には血圧計はない。

帰宅したら一番に血圧計を購入。どこの血圧計が良いのか?

色々なメーカーの説明を読んで、自分で良いと思った血圧計を選んだ。

 

 入院は本当に退屈でヒマだ。5日の入院だったけど限界だった。

それ以上入院されている方には本当に頭が下がる。

 

 父親が腹部大動脈瘤で入院していた時は3週間くらい入院していた。

退屈で退屈で怒り気味になっていた。

 手術前の入院が2週間あったこともあり、手術後10日~2週間入院が必要とされていた。痛くてリハビリ拒否していたけど、痛さをガマンして1週間くらいで無理やり退院してしまった。

 CVポートの傷跡が1㎝程度だったが、父親の腹部には15㎝程度あった。

自分は1㎝で痛い痛いと言っていたのに、本当に痛かったに違いない。

もう、その父親はいない。

 

 

 

日本精密測器 手首式デジタル血圧計 WS-900

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